富士フィルムの「PHO」は、写真を意味する「Photograph」から名前をとった高級非塗工印刷用紙です。塗工紙のような光沢に頼らず、きめ細かな地合いと平滑性で写真や図版を見せる紙で、独特の紙力の強さから機能紙として使われることもあります。この記事では、9種類ある連量と厚み、6つのサイズと入数、名刺・カタログ表紙・パッケージ台紙といった用途ごとの選び方を、規格表と商品ページの実データでまとめました。
PHOとは?基本スペックと位置づけ
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | 富士フィルム |
| 分類 | 高級非塗工印刷用紙 |
| 名前の由来 | 写真「Photograph」 |
| 連量 | 90〜270kg(9種類) |
| 厚さ | 0.11mm〜0.38mm |
| サイズ | A5/B5/A4/B4/A3/SRA3 |
| 入数 | 30枚/50枚/100枚 |
| 断裁済み品 | 名刺・ハガキ |
「写真」から生まれた紙という成り立ち
PHOという名前は、写真を意味する「Photograph」から来ています。名前のとおり、写真や図版をきれいに見せることを狙って作られた紙です。
特徴は、他に類を見ないきめ細かな地合いと平滑性、そして目を疲れさせないナチュラルな色合い。塗工紙のように表面をコーティングして光らせるのではなく、紙そのものの平滑さで絵柄を受け止めるタイプです。読み物としての落ち着きと、写真の再現性を両立させたい場面に向いています。
もうひとつの持ち味が、独特の紙力の強さです。このため印刷物としてだけでなく、さまざまな用途で機能紙としても使われています。
PHOが選ばれる5つの理由
- きめ細かな地合いと平滑性:非塗工紙でありながら、写真や細い線を受け止められる表面
- 目を疲れさせない色合い:ナチュラルな白で、文字の多い冊子でも読み疲れしにくい
- 連量が9種類:90kgの本文用から270kgの台紙まで、同じ紙で厚みを振れる
- 紙力が強い:機能紙としても使える強さがあり、タグやカードでも扱いやすい
- 断裁済みの名刺・ハガキがある:小ロットなら断裁の手間をかけずに使える

PHOの印刷の出方
非塗工紙なのに写真が沈みにくい
非塗工紙は表面に塗工層がないぶん、インキが紙に入りやすく、写真の濃い部分が沈んで見えることがあります。PHOはその非塗工紙の中でも平滑性が高く、地合いが細かいため、絵柄が荒れにくいのが持ち味です。
光沢は出ないので、艶やかさを最優先するならキャストコート紙などの塗工紙が向きます。逆に、テカリを抑えたまま写真を見せたい、文字も一緒に読ませたい、という条件ならPHOの土俵です。
主な活用シーン
- カタログ・会社案内の表紙と本文
- 名刺(写真やロゴを載せるデザイン)
- ポストカード・DM・プライスカード
- 作品集・ポートフォリオ・写真集の本文
- タグ・カード・パッケージ台紙
紙のソムリエが現場で見た使われ方
問い合わせで多いのは「写真を使いたいが、コート紙のテカリは避けたい」というご相談です。PHOはこの条件にそのまま当てはまる紙で、カタログ表紙や作品集の本文で選ばれています。
もうひとつ多いのが名刺です。連量が9種類あるので、同じ質感のまま「本文は110kg、表紙は205kg」といった振り分けができます。冊子と名刺で紙の顔を揃えたい、というときに使いやすい銘柄です。




PHOの厚さ(連量)の選び方
9つの連量と厚み
| 連量 | 厚さ | 主な用途 |
|---|---|---|
| 90kg | 0.11mm | チラシ・冊子本文 |
| 110kg | 0.14mm | チラシ・冊子本文 |
| 135kg | 0.17mm | 表紙・ポストカード |
| 160kg | 0.21mm | 名刺・タグ・DM |
| 180kg | 0.24mm | 名刺・タグ・DM |
| 205kg | 0.27mm | 名刺・カード |
| 225kg | 0.30mm | カード・台紙 |
| 250kg | 0.34mm | カード・台紙 |
| 270kg | 0.38mm | パッケージ台紙 |
迷ったときの選び方
連量帯は大きく3つに分かれます。90〜110kgはチラシや冊子の本文ページ。135〜180kgは表紙、ポストカード、名刺、タグ、DM。205〜270kgは名刺、カード、パッケージ台紙です。
名刺は好みが分かれるところで、160kg(0.21mm)あたりから名刺らしい腰が出ます。しっかりした厚み感を出したいなら205kg(0.27mm)以上、市販の厚口名刺に近い持ち重りを狙うなら250〜270kg(0.34〜0.38mm)が目安です。
冊子で使うなら、本文と表紙で連量を変えるのが定番です。本文90〜110kg、表紙180〜225kgという組み合わせなら、同じ紙の質感を保ったまま表紙に厚みを持たせられます。
サイズと入数
| サイズ | 寸法 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| A5 | 148×210mm | DM・プライスカード |
| B5 | 182×257mm | リーフレット・メニュー |
| A4 | 210×297mm | 会社案内・サービス紹介 |
| B4 | 257×364mm | 二つ折りリーフレット |
| A3 | 297×420mm | ポスター・二つ折り |
| SRA3 | 450×320mm | 型抜き・箔押し用 |
入数は30枚・50枚・100枚の3種類です。加えて、名刺(91×55mm)とハガキ(100×148mm)は断裁済みで販売しているので、少部数なら自分で切る手間をかけずに使えます。

PHOと他の白い紙との使い分け
白い紙を選ぶときは、まず「表面に塗工層があるかどうか」で分けると早いです。PHOは非塗工紙なので、光沢よりも落ち着きと読みやすさを取るときの選択肢になります。
| 紙の種類 | 光沢 | 写真の見え方 |
|---|---|---|
| 非塗工紙(PHO) | ほぼなし | 落ち着いた見え方 |
| マットコート紙 | 弱い | やや締まる |
| グロスコート紙 | 強い | くっきり出る |
| キャストコート紙 | 非常に強い | もっとも艶やか |
同じ非塗工紙でも、地合いの細かさと平滑性には差があります。PHOはその中で平滑性を高めた側の紙なので、ラフな風合いを出したい場合は別の銘柄のほうが合います。

PHOのよくある質問
Q. 連量は何種類ありますか?
90kg・110kg・135kg・160kg・180kg・205kg・225kg・250kg・270kgの9種類です。厚さは0.11mmから0.38mmまでそろいます。
Q. サイズと入数は?
A5・B5・A4・B4・A3・SRA3の6サイズ。入数は30枚・50枚・100枚の3種類です。
Q. 塗工紙ですか?
いいえ、非塗工紙です。表面に塗工層はなく、紙そのものの平滑性で絵柄を受け止めます。
Q. 光沢はありますか?
塗工紙のような光沢はありません。テカリを抑えた落ち着いた見え方になります。
Q. 名刺に向く連量はどれですか?
160kg(0.21mm)以上が目安です。しっかりした厚み感なら205kg(0.27mm)以上、厚口名刺に近づけるなら250〜270kg(0.34〜0.38mm)です。
Q. パッケージ台紙に使えますか?
205kg(0.27mm)から270kg(0.38mm)の範囲が台紙向けです。用途に合わせて選んでください。
Q. メーカーはどこですか?
富士フィルムです。「PHO」という名前は写真「Photograph」に由来します。
Q. 実物を確認してから決められますか?
A4サイズ10枚の有償お試しサンプル(90kg〜270kg)を商品ページで用意しています。
まとめ:こんな方におすすめ
- 写真を使いたいが、コート紙のテカリは避けたい方
- カタログ表紙と本文で紙の質感を揃えたい方
- 名刺に厚みと落ち着きの両方がほしい方
- 冊子・名刺・台紙を同じ銘柄でそろえたい方
- 文字が多い印刷物で、読み疲れしにくい白がほしい方
PHOの購入は紙の通販専門店「紙もっと!」で
PHOは、当社が運営する紙の通販専門店「紙もっと!」でご購入いただけます。連量・サイズ・入数ごとの価格と在庫は商品ページで確認でき、全国へ発送しています。断裁済みの名刺サイズ・ハガキサイズも同じページからお選びいただけます。

紙のソムリエ 五十嵐 広治(いがらし こうじ)
日本洋紙板紙卸商業組合 認定「紙営業士」
株式会社立川紙業/ECサイト「紙もっと!」管理人
紙とともに育ち、紙を愛し、紙の魅力を伝えることを仕事にしています。
現在は、株式会社立川紙業にて以下を中心に活動中
・ECサイト「紙もっと!」の企画・運営
・コーポレートサイト/ブログの制作・更新
・InstagramやYouTubeなどSNS運用による情報発信
全国の印刷会社・デザイナー・個人ユーザーに向けて、紙の楽しさ・奥深さを日々発信しています。
