サステナブルな紙を探していると、必ず候補に挙がるのが「GAバガス シュガー」です。さとうきびから砂糖を搾ったあとに残る“バガス”を活用した、非木材パルプ配合のファインペーパーで、クラフト紙のような茶系ではなく白寄りのナチュラルな色合いが特徴です。ただ、環境にやさしいことは分かっても「印刷はきれいに出るのか」「どの連量を選べばいいのか」までは判断しづらいと思います。この記事では、GAバガス シュガーの基本スペック、オンデマンド印刷での実際、8段階ある厚さの選び方、風合い、似たサステナブル紙との違い、よくある質問までを順番に整理しました。読み終えるころには、ご自身の用途にこの紙が合うかどうかを判断できるはずです。
GAバガス シュガーとは?基本スペックと名前の由来
まずはGAバガス シュガーがどんな紙なのかをはっきりさせておきましょう。ここではメーカーと分類、名前の意味、選ばれている理由を整理します。「エコな紙」という言葉だけでは見えてこない、この銘柄の立ち位置が分かる内容です。
基本情報(メーカー・分類・特徴)
GAバガス シュガーは、特種東海製紙株式会社が手がけるバガスパルプ配合のファインペーパーです。バガスとは、さとうきびから砂糖を搾ったあとに残る繊維質のこと。本来は使われずに終わっていた部分を紙の原料に回すことで、木材の使用量を抑えられます。紙面にはバガス特有の繊維がほんのり見える自然な表情があり、クラフト系の茶色とは違う「白系ナチュラル」の色合いに仕上がっています。連量は70kgから265kgまで8段階とそろっており、便せんから厚手のカードまで一つの銘柄でまかなえます。
名前の由来とコンセプト
銘柄名の「バガス(bagasse)」は、さとうきびの搾りかすを指す言葉です。続く「シュガー」は、その原料であるさとうきびを表しています。頭に付く「GA」は、竹はだGAやサガンGAなど同社のファンシーペーパーに数多く見られる表記です。原料をそのまま名前にした分かりやすいネーミングで、紙を提案する側にとっても背景を説明しやすい銘柄といえます。
GAバガス シュガーが選ばれる3つの理由
- 非木材原料のストーリーがある:さとうきびの搾りかすを活用しているため、SDGsやサステナブルを掲げるブランドの世界観と無理なく重なります。
- 白系ナチュラルで扱いやすい:クラフト紙より明るく、写真や濃い色を載せても暗く沈みません。
- 厚さが8段階そろっている:本文用紙から厚手のカードまで、同じ風合いのままシリーズで展開できます。

GAバガス シュガーのオンデマンド印刷適性とおすすめ活用法
環境にやさしくても、印刷がきれいに出なければ実務では使えません。ここではトナーの定着や発色の実際と、どんな印刷物に向いているかを具体的に整理します。小ロットのオンデマンド印刷を検討している方に役立つ内容です。
発色とトナー定着の実際
GAバガス シュガーは印刷適性の高さが評価されている紙です。非塗工のファインペーパーのため強い光沢は出ませんが、そのぶん文字やイラストが落ち着いた表情で再現され、全体がやわらかい仕上がりになります。白インキや淡い色を使えば優しいトーンに、黒インキを使えばバガス繊維の表情が際立ちます。さらに箔押し・型抜き・スジ入れといった加工適性も安定しているため、印刷後に加工を重ねる紙ものにも使いやすい銘柄です。
主な活用シーン
- 70kg〜90kg:便せん、冊子の本文ページなど、めくって読ませる印刷物に。
- 110kg〜160kg:リーフレット、ポスターなど、手に取って読ませるPRツールに。
- 180kg〜265kg:表紙、ポストカード、商品タグ、DMなど、手渡して残る紙ものに。
紙のソムリエが現場で見た使われ方
実際に手に取ると、表面にはわずかなざらつきがあり、指の腹で撫でると繊維の存在が伝わってきます。この「素材そのものが語る」質感が、食品・コスメ・雑貨といったブランドの紙もので選ばれている理由です。反対に、写真を主役にした光沢重視のカタログには向きません。素材感を見せたいデザインかどうかが、この紙を選ぶかどうかの分かれ目になります。迷ったときは、デザインの中で「紙の表情」に役割を持たせられるかを基準に考えると判断しやすくなります。




GAバガス シュガーの厚さ・連量の選び方
GAバガス シュガーでいちばん迷いやすいのが連量です。70kgから265kgまで8段階あるため、選択肢が多いぶん基準がないと決めきれません。ここでは連量の意味から用途別の目安、迷ったときの判断軸までを順に整理します。
連量とは(初心者向け補足)
連量とは、同じ寸法の紙を1000枚重ねたときの重さ(kg)のことです。数字が大きいほど厚い紙になります。基準になる原紙サイズには四六判(788×1091mm)や菊判(636×939mm)といった大きな判が使われるため、数字だけでは厚みを想像しづらいのが実際です。そこで実寸のmm表記とあわせて見るのが確実です。GAバガス シュガーの場合、70kgで0.11mm、265kgで0.41mmと、いちばん薄い連量と厚い連量では約3.7倍の差があります。
用途別の連量早見表
| 連量 | 厚さ | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 70kg | 0.11mm | 便せん、冊子の本文ページ |
| 90kg | 0.14mm | 便せん、冊子の本文ページ |
| 110kg | 0.18mm | リーフレット、会社案内 |
| 135kg | 0.20mm | リーフレット、ポスターなどPRツール |
| 160kg | 0.24mm | PRツール、しっかりしたチラシ |
| 180kg | 0.29mm | 冊子の表紙、ポストカード、DM |
| 225kg | 0.36mm | 商品タグ、パッケージ台紙、名刺 |
| 265kg | 0.41mm | 名刺、厚手のパッケージ、POP |
迷ったときの選び方
判断の軸はシンプルです。めくって読ませるものなら70〜160kg、手渡して残るものなら180kg以上を選べば大きく外しません。たとえば冊子なら本文を90kg、表紙を225kgにすると、同じ風合いのまま厚みの差だけでメリハリが付きます。1銘柄でシリーズを組めるのは、厚さが8段階そろうGAバガス シュガーならではの強みです。それでも迷う場合は、いちばん厚いものと薄いものを実際に触って比べ、そこから逆算するのが確実です。

GAバガス シュガーの風合いと質感
紙選びの最後に効いてくるのが手ざわりです。ここではGAバガス シュガーの表面の質感と色味を、デザインへの影響とあわせて説明します。写真だけでは伝わりにくい部分をお伝えします。
手ざわりと質感
表面は塗工されていないため、指を滑らせるとわずかなざらつきを感じます。紙面をよく見るとバガス繊維が点在しており、これが均一な白い紙にはない表情を生んでいます。色味は白寄りのナチュラルカラーで、クラフト紙のような茶系ではありません。そのため写真や濃い色を載せても暗く沈まず、ミニマルなロゴやタイポグラフィ中心のデザインとも好相性です。上質さとエコを両立させたい場面では、金箔や白箔の箔押しと組み合わせるのも効果的です。

GAバガス シュガーとよく比較される紙との違い
サステナブルな紙は候補が複数あり、どれを選ぶかで迷いがちです。ここでは紙もっと!で扱う竹はだGA・バナナペーパー・エコ間伐紙Nと並べ、原料と厚さの選択肢という観点から違いを整理します。
比較表
| 銘柄 | 主な原料 | 厚さの選択肢 | 風合いの傾向 |
|---|---|---|---|
| GAバガス シュガー | さとうきびの搾りかす(バガス) | 70〜265kgの8段階 | 白系ナチュラル。繊維が点在する優しい表情 |
| 竹はだGA | 竹パルプ | 70〜220kgの6段階 | 嵩高であたたかみのある風合い |
| バナナペーパー | バナナの茎の繊維+古紙または森林認証パルプ | 55g・100g・180gの3段階 | 原料の背景が強いエシカル素材 |
| エコ間伐紙N | 間伐材 | 55〜360kgの8段階 | 木のぬくもりのある非塗工紙 |
使い分けの目安
厚さの選択肢の多さで選ぶならGAバガス シュガーです。8段階そろっているため、本文から厚手のカードまで1銘柄で完結します。嵩高であたたかみのある手ざわりを優先するなら竹はだGA、原料の背景をそのまま伝えたいならバナナペーパー、国内の森林保全を訴求したいならエコ間伐紙Nが向きます。たとえば「明るいナチュラル感で、冊子とタグを同じ紙にそろえたい」という条件なら、GAバガス シュガーが最も収まりのよい選択になります。
GAバガス シュガーのよくある質問
最後に、GAバガス シュガーを検討される方からよくいただく疑問をまとめました。購入前に確認しておきたいポイントを4つに絞っています。
Q. どのサイズと枚数で購入できますか?
紙もっと!ではA4(210×297mm)・A3(297×420mm)・SRA3(320×450mm)・B4(257×364mm)の4サイズを扱っています。包装枚数は30枚・50枚・100枚から選べるため、小ロットの試し刷りにも対応できます。まず連量を選び、そのあとにサイズと枚数を指定する流れです。
Q. クラフト紙とは何が違いますか?
いちばんの違いは色味です。クラフト紙が茶系なのに対し、GAバガス シュガーは白寄りのナチュラルカラーです。そのため明るいナチュラル感を出したい場合や、白場を活かしたデザインではこちらのほうが扱いやすくなります。
Q. 箔押しや型抜きの加工はできますか?
箔押し・型抜き・スジ入れといった加工適性は安定しています。とくに金箔や白箔と組み合わせると、上質さとエコを両立した世界観をつくりやすい紙です。ただし加工の可否は仕上がり寸法や連量にも左右されるため、加工業者への事前確認をおすすめします。
Q. 少ない部数でも試せますか?
オンデマンド印刷であれば小ロットでの出力に対応できます。紙もっと!では30枚単位から購入できるため、まず少量で刷って風合いを確かめ、そのうえで本番の部数を決める進め方も可能です。
まとめ:GAバガス シュガーはこんな方におすすめ
- さとうきび由来の非木材原料を使い、環境配慮を素材そのもので伝えたい方
- クラフト紙より明るいナチュラル感を出したいデザイナー・制作会社の方
- 冊子・タグ・名刺まで、同じ風合いのまま厚さを使い分けたい方
- 食品・コスメ・雑貨など、やさしい質感でブランドの世界観を表現したい方
- 箔押しや型抜きを前提に、加工まで見据えた紙を探している方
GAバガス シュガーの購入は紙の通販専門店「紙もっと!」で
GAバガス シュガーは、紙の通販専門店「紙もっと!」で70kgから265kgまでの8段階、A4・A3・SRA3・B4の4サイズをご購入いただけます。30枚・50枚・100枚の小ロット包装に対応しており、全国発送も可能です。紙もっと!では印刷イメージの写真を掲載しているので、仕上がりを想像しながら紙を選べます。ほかの白系ファインペーパーとも見比べたい方は、ファンシーペーパー(ホワイトベース)の一覧もあわせてご覧ください。

紙のソムリエ 五十嵐 広治(いがらし こうじ)
日本洋紙板紙卸商業組合 認定「紙営業士」
株式会社立川紙業/ECサイト「紙もっと!」管理人
紙とともに育ち、紙を愛し、紙の魅力を伝えることを仕事にしています。
現在は、株式会社立川紙業にて以下を中心に活動中
・ECサイト「紙もっと!」の企画・運営
・コーポレートサイト/ブログの制作・更新
・InstagramやYouTubeなどSNS運用による情報発信
全国の印刷会社・デザイナー・個人ユーザーに向けて、紙の楽しさ・奥深さを日々発信しています。
