「透明なフィルムに印刷したい。でもシルク印刷やインクジェット出力を外注すると、ロットもコストも合わない」——販促物やパッケージの窓材を検討されている方から、よくいただくご相談です。そこで選択肢になるのが、ダイニック株式会社の透明ポリエステルフィルム「OZK(透明PET)」です。レーザープリンターでの印刷実績がある透明素材で、必要な枚数だけ手元で刷れます。この記事では、OZKがどんな素材なのか、印刷適性、100μと188μの使い分け、サイズと入数の選び方、よくある疑問までを整理します。読み終えるころには、ご自身の案件にOZKが向いているかどうかを判断できるはずです。
OZK(透明PET)とは?基本スペックと素材の位置づけ
この章では、OZKがどんな素材で、いわゆる「紙」と何が違うのかを整理します。名前だけでは中身が分かりにくい銘柄ですので、まずは基本の位置づけと、選ばれている理由をつかんでください。厚さやサイズを絞り込む前の土台になる部分です。
基本情報(メーカー・分類・特徴)
OZKは、ダイニック株式会社が手がける高透明のポリエステルフィルム(PETフィルム)です。分類としては紙ではなくフィルム素材にあたります。紙とは異なるしっかりしたコシと滑らかさを備え、視認性・耐久性・耐水性に優れた透明素材として使われています。厚さは100μと188μの2種類。特別な印刷機を用意しなくても、レーザープリンターでの印刷実績があることが、いちばんの持ち味です。
透明素材のなかでの位置づけ
透明な印刷物を作る方法はいくつもありますが、多くは「専用の印刷機」か「一定以上のロット」を前提にしています。OZKはその前提を外した選択肢です。手元のレーザープリンターで、30枚から作れる。試作を1回まわしたい、店舗1軒分だけ必要、といった規模でも成立します。バックライトフィルムや透明な印刷物としての使い方が想定されています。
OZK(透明PET)が選ばれる5つの理由
数ある透明素材のなかでOZKが選ばれる理由は、実務では次の5つに集約されます。
- レーザープリンターの実績がある。外注も特殊な印刷機も前提にしない
- 30枚から購入できる。ロットの縛りが小さく、試作や小規模な販促に向く
- 光沢感のある高透明。背景が透けることそのものをデザインに使える
- 耐水性・耐久性に優れる。紙のPOPが持たない場所でも使える
- 厚さを2種類から選べる。薄い100μと、厚みのある188μを用途で使い分けられる

OZK(透明PET)の印刷適性とおすすめ活用法
印刷の実際
OZKはレーザープリンターでの実績がある素材で、透明な印刷物としてきれいに仕上がります。ただし、印刷機により相性があります。同じレーザープリンターでも機種や定着条件によってトナーの乗り方は変わりますので、本番の前に必ずお試しください。これは弱点というより、透明フィルム全般に共通する前提です。
設計上いちばん大事なのは、トナーは白を出せないという点です。刷らなかった部分はそのまま透けます。白ヌキのつもりで作ると背景が出てしまいますが、逆に言えば「透けること」を計算に入れれば、ほかの素材では出せない見え方になります。
主な活用シーン
- 製品パッケージの窓材(中身を見せながら、ほこりや傷から守る)
- 店頭POP・卓上ディスプレイ(水まわりでも波打たない)
- 自販機の製品見本(屋外でも使える厚手のディスプレイ)
- ウィンドウサイン(ガラスに貼ると文字やロゴだけが浮いて見える)
- バックライトフィルム(光を通す掲示物・サイン)
紙のソムリエが現場で見た使われ方
印象に残っているのは、屋外の自販機まわりのサインです。紙で作ると雨や結露で波打ってしまう場所ですが、188μのOZKに刷って差し込むと、背景が透けたまま文字だけが残ります。刷り直しも自分たちのプリンターでできるので、季節ごとの差し替えが軽くなります。
もうひとつは、小ロットのギフトボックスの窓材です。既製の窓材が寸法に合わないとき、100μを箱の開口に合わせて断裁して貼る。数十個のロットでも成立するのが、この素材の強みです。




OZK(透明PET)の厚さの選び方(100μ/188μ)
μ(ミクロン)とは(初心者向け補足)
紙は「連量(kg)」で厚さを表しますが、フィルムはμ(ミクロン=1000分の1ミリ)で表します。100μは0.1mm、188μは約0.19mmです。数字が大きいほど厚く、コシが強くなります。紙の連量に慣れている方は、「100μは名刺より薄い、188μは名刺よりやや厚い」くらいの感覚で捉えると近いです。
用途別の厚さ早見表
| 厚さ | およその厚み | 手にした印象 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| 100μ | 0.1mm | しなやかで曲げやすい | 製品パッケージの窓、薄いPOP、重ねて使う透明レイヤー |
| 188μ | 約0.19mm | コシがあり、立てられる | 多少の厚さが必要なPOP、ディスプレイ、自販機の製品見本 |
迷ったときの選び方
判断の軸はひとつだけです。それ自体を自立させたいかどうか。何かに貼る・挟む・重ねるなら100μ。単体で立てる、手に取って扱うなら188μ。用途がまだ固まっていない段階なら、扱える幅が広い188μから試すほうが失敗が少ないです。

OZK(透明PET)のサイズと入数
サイズは5種類、入数は3段階から選べます。仕上がりサイズから逆算して、面付けの取りやすいサイズを選んでください。
| 項目 | ラインアップ |
|---|---|
| サイズ | A4(210×297)/A3(297×420)/SRA3(320×450)/B4(257×364)/468×392 |
| 入数 | 30枚/50枚/100枚 |
| 厚さ | 100μ/188μ |
手元のプリンターがA3まで対応しているなら、A3かSRA3を選ぶと面付けの自由度が上がります。A4機しかない環境では、素直にA4を選んだほうが確実です。

OZK(透明PET)と紙のPOP用紙の使い分け
透明であることが目的でないなら、紙のほうが扱いやすい場面もあります。切り分けの目安は次のとおりです。
| 求めるもの | 向いている選択 |
|---|---|
| 背景を透かせたい/ガラスに貼りたい | OZK(透明PET) |
| 水まわり・屋外で使う | OZK(透明PET)または耐水紙 |
| 白地にしっかり発色させたい | 紙のPOP用紙 |
| 紙らしい風合い・手ざわりを出したい | ファインペーパー |
OZK(透明PET)のよくある質問
Q. 厚さは何種類ありますか?
A. 100μと188μの2種類です。薄手の窓材や重ねて使う用途なら100μ、自立させたいPOPやディスプレイなら188μが目安です。
Q. サイズと入数は?
A. サイズはA4/A3/SRA3/B4/468×392の5種類、入数は30枚・50枚・100枚からお選びいただけます。
Q. どんな印刷機で刷れますか?
A. レーザープリンターでの実績がある素材です。ただし印刷機により相性がありますので、本番の前にお試しください。
Q. 紙ですか、フィルムですか?
A. 紙ではなく、ポリエステル(PET)フィルムです。紙とは異なるしっかりしたコシと滑らかさがあります。
Q. 水に濡れても大丈夫ですか?
A. 耐水性に優れた素材です。紙のように水で波打つことがないため、水まわりでも使えます。
Q. 白は印刷できますか?
A. レーザープリンターのトナーに白はありません。刷らなかった部分は透明のまま残ります。白ヌキを想定した設計にはご注意ください。
Q. メーカーはどこですか?
A. ダイニック株式会社です。
Q. サンプルはもらえますか?
A. サンプルは有償でのみお取り扱いしています。紙もっと!からご購入いただけます。印刷機との相性を確かめる意味でも、まずは少量で試していただくのが確実です。
まとめ:OZK(透明PET)はこんな方におすすめ
- 店頭POPやウィンドウサインを自分たちで作りたい店舗オーナー・販促担当の方
- 小ロットのパッケージ窓材を探している商品開発・パッケージデザイナーの方
- 水まわりや屋外で使える掲示物が必要な飲食店・施設のご担当者
- 透明素材の試作を少量で回したいデザイナー・制作会社の方
- 透明印刷の外注を減らしたい印刷会社・企画会社の方
透明であることそのものをデザインにできる。OZKは、紙では届かない表現を、いつものプリンターで実現してくれる一枚です。
OZK(透明PET)の購入は紙の通販専門店「紙もっと!」で
OZK(透明PET)は、紙の通販専門店「紙もっと!」でご購入いただけます。厚さ・サイズ・入数ごとの価格と在庫は商品ページで確認でき、全国へ発送しています。透明素材で迷ったときは、自立させるかどうかと使う場所に水がかかるかの2点を手がかりにすると絞り込みやすくなります。

紙のソムリエ 五十嵐 広治(いがらし こうじ)
日本洋紙板紙卸商業組合 認定「紙営業士」
株式会社立川紙業/ECサイト「紙もっと!」管理人
紙とともに育ち、紙を愛し、紙の魅力を伝えることを仕事にしています。
現在は、株式会社立川紙業にて以下を中心に活動中
・ECサイト「紙もっと!」の企画・運営
・コーポレートサイト/ブログの制作・更新
・InstagramやYouTubeなどSNS運用による情報発信
全国の印刷会社・デザイナー・個人ユーザーに向けて、紙の楽しさ・奥深さを日々発信しています。
